2024 Information



4月の話

英会話の先生に壊れて乗ることができない自転車をいただきました。山口自転車のベニー号というこの自転車、調べてみると1963年に倒産した会社が作ったものでした。壊れたボトムブラケット(BB)という部品の規格も現行にはないもので、町の自転車屋さんに持って行っても門前払いといった具合です。そこで狸サイクル(リサイクルと読む)という自転車屋さんにお願いしてこのとおり直してもらいました。昔の重い自転車なので、泥よけ、荷台、チェーンカバーなどはすべて外して軽くしました。ブレーキの仕組みもすっきりとしていてかっこいい。狸サイクルさん、どんな自転車でも直すし、カスタムも。このすごさは説明しきれないのでブログをのぞいてみてください。けっこう響いた言葉は、エコと言われる自転車だけどエコにはなっていないとのこと。確かに大量にゴミになっている自転車の現状は憂いてしまいますね。例えば子供乗せ自転車は用途を終えたら処分しないで、余分なものを外して籐のかごを付けたららいいなといつも思います。63mokkoも壊れたら直すという信念です。

狸サイクル ウェブサイト→


英会話のドリュー先生にはお礼として、テンプルがないジャンク眼鏡を差し上げました。これにガラスレンズをいれてハンドグラスとして使うそうです。英国人の気質なのかどうなのか、ドリュー先生もリサイクル精神に富んだ方です。あとノープラスチック、ノーメディスン。口酸っぱく言っています。こちらも良かったらブログをのぞいてみてください。

Drew's English School インタビューサイト→


最後に、また新しい修理方法が加わりました。金継ぎです。古来からのリペアー方法。これは先述の自転車と同じような意味があると思います。修理して元の価値が下がるのではなく、新しい価値もしくはそれ以上の価値を生み出すようなものだととらえています。


こんなに修理のことばかり書いてしまうと、木の眼鏡は壊れやすいものなのかと思われてしまいますね。その答えは半々だと思います。毎日のように使っても一度も壊さない方もいれば、よく壊してしまう方もいらっしゃいます。樹種など木の硬さはあまり関係なく注意深く扱うかどうかの違いかと思われますが、よく壊すからといって非難はしていません。修理してまた使っていただいたらよいと思います。どちらも物を大事にするといったことでは同じことだと考えています。


2024 new leafret

How many years can a tree grow.
Before it's used for people?
The answer is wandering in the fog.

Photograph / Art direction : YUKI OGAWA
Direction / All glasses : MUSASHI KANDA




イノチグラスカムヒア!part2

4/18(Thu) 10:30-17:00

63mokkoアトリエショップ
東京都立川市若葉町2-1-10

2年前に開催した“自分に合ったカラー”を見つけてくれるイノチグラスの作製会がまた63mokkoにやってきます。innochi社認定のカラー目育士である白鳥時計店さんによる独自の身体感覚測定を通して、その人の身体がいま求めているカラーを探していきます。今回63mokkoの眼鏡フレームをオーダーいただいた方、63mokkoフレームご愛用の方、3名限定とさせていただきます。

【当日の流れ】
問診・イノチグラス説明→カラー測定→検眼→精算

【イノチグラス作製 費用】
@測定費用 16,500円
Aレンズ代 30,800円〜41,800円(度付)※ 、15,400円(度なし)
Bメガネ送料 1,100円
C出張交通費 3,300円(交通費含む)

※その他オプションが必要な場合は以下の費用がかかります。
制作範囲外5,500円
ガラスコート2,200円
薄型加工5,500円 等

【ご予約時間(一枠2時間)】
10時半〜(1名)ご予約済
13時〜(1名)ご予約済
15時〜(1名)ご予約済
17時〜(予備枠1名)

白鳥時計店の「イノチグラスについて」→

イノチグラス ウェブサイト→




3月の話

価格改定のお知らせです。

フラットフロントの価格をスタンダードタイプと同じ価格に変更させていただきます。従来のフラットフロントではブリッジが平らでしたが、改良版ではブリッジに盛り上がりをつけています(写真ご参考)。 スタンダードはお顔に沿うようにフロントにカーブをつけているものですが、フラットフロントは平らな形状のため、ヨロイが顔から少しせり出し眼鏡の印象を感じられるものとなっております。


もう一つ価格改定です。

レギュレータタイプも\9,900の値上げとさせていただきます(2024.4.1より)。レギュレータタイプはテンプルの長さを変えられる眼鏡です。複雑な構造でやはり加工時間が多くかかるために価格を上げざるを得なくなってしまいましたこと、ご了承ください。 眼鏡を構成する箇所が多いことを活かして様々な樹種を使うと、遊び心が感じられる一品となります。写真は、OTAMOKKOさんの寄木をテンプルの一部分に使いました。どうぞあなただけの一品を。



アンツアンドクラフツ 3人展

3/10(Sun) 10:00-16:00

banya base
茨城県常陸太田市東二町2660-9

小さいながらこつこつ活動する3人が集まり、アンツアンドクラフツという名前で1日限りのとっておきな展示会を開催します! ものをつくる3人がぎゅっとbanya baseに集まる1日。 扱う素材がそれぞれ違うからこそ、互いを敬う眼差しがあって、刺激をもらい、その姿勢にいつも学ばされています。そんな雰囲気をぜひ味わいにきてください。

神田武蔵(63mokko / 木の謹製眼鏡)
木製の眼鏡の受注販売 @63mokko 

信江彩乃(手芸家)
「ちょっとニッチな身につけられるもの」をテーマにニットや編みぐるみのアクセサリーを @ayanonobue_works 

阿部深雪(banya base / 革製品)
眼鏡偏愛を勧めるメガネケース、鹿革のマルシェバッグ、飴豚のちりとりなどの受注販売 @banyabase 

3/10(日)は12月倉とくべつきかく
「3月、くじらの背中で会いましょう」の開催日。
商店街を楽しく歩きながら、ぜひ遊びに来てください。



2月の話

St-pour hommeにて行われたNew Order展、ありがとうございました。新しいクラフトを発見したような気がしてワクワクしました。

お知らせがあります。
今までの眼鏡が折れた時の修理方法は、折れた箇所を接着後、中に真鍮棒を埋め込んだいわゆるダボ接合でしたが、今回お客様のご要望もあり新たな接合を追加しました。




異なる樹種を外側に張り付けました。強度を確保できる一方、視覚的な面白さも加わります。

こちらは他ブランドですがご依頼をいただいた眼鏡です。接着させたあと真鍮棒を埋め込んで生き返りました。他ブランドも木製に限らずできることはあると思いますので、壊れたけど思い入れのある眼鏡を木で復活させてみませんか。


もう一つお知らせです。TOKYO MXの“至高のひととき”という番組で、63mokkoを放映していただきました。テレビは偶然に見て興味のあることを知る面白さがあると思いましたので事前にアナウンスはしませんでしたが、見てみたい方はユーチューブでも見られますのでご覧になってみてください。

至高のひととき〜多摩・立川オトナ時間〜♯70「63mokko」→



New Order

2/2-2/3(Fri,Sat) 13:00-20:00
2/4(Sun) 13:00-19:00

Place : St-pour homme
1F Sakurai blvd, 5-17-13 Minamiaoyama, Minatoku-Tokyo

St-pour hommeさんで企画展に参加します。
以下、St-pour hommeより

今回St-pour hommeにて「New Order」と題した企画展を開催します。
民藝や工芸品、素朴ながら何か惹かれる物。
それと、私の周りにいるファッションを通して繋がったアーティストの作品達。それらが、1つの空間で混ざり合ったらどうなるのか。皆様と一緒に体感できたらと思います。

洋服もご用意ありますが、日常的な物、生活に基づいた物、暮らしの中で役立つ物、意味のない物。このイベントの為に沢山ご用意しました。是非ご体験下さい。

@torinoki_furniture
@koki_sekizawa
@unsungweavers
@63mokko
@a_machine
@telegraphelab
@les__six__
@kota_miyake
and more secret guests

illustration by @kaito_jude



2024年

気候のこと、戦争のこと、災害のことを思うとハッピーニューイヤーという気にはなれませんが、今年も始まりました。本年もよろしくお願いいたします。 このままだとウイルスのパンデミック以上のことが起こるという恐怖心があります。しかし自分の住む町は何事もないように見え、日々の生活も当たり前のように過ぎていきます。

制作活動を続けているとしばしば受ける質問があります。なぜ木で眼鏡を作ろうと思ったのか。いつもうーんと頭を悩ませます。ここにたどり着いたのは一言では表せないので。昨年受けた取材でもうーんとなって、さらに突っ込んだ質問をされました。なぜ木が好きなのか。ここでもうーんとなってうまく答えられたか分かりませんが、世の中に対する恐怖心からの安心感だと今は言えます。僕が生まれる前に高度経済成長があり、小学生くらいにはバブル期でした。モノが大量に生産され消費されている姿を子供心ながらに恐ろしくみえました。

立っている木の佇まい、切ったときの木の香り、冷たくない木の肌さわりが好きで木工を学びました。何を作るかは何でも良かったのですが、あまり世の中にはない木の眼鏡に行き着きました。眼鏡というものは肌身離さずに持っているものです。それを木で作ったらこの上ない相棒のような存在になるのではないかと。さらにその人に合わせて作るのでその人だけのものです。壊れたら修理して使い続けられます。傷も愛着となっていくと思います。

世の中は見直されサステナブルな社会を目指すようになりましたが恐怖感は残ります。今まででも十分すぎる生活だと思いますが、より新しいもの便利なものと煽られ、ここまで便利でなくてもいいのになと思ってもそれを使わなくてはならない社会のような気がします。どのような分野に限らず、自然素材のもの、量産をしないもの、小規模なサークルで作り出されるものにもっと目を向けたいと思い、自分の活動もそのように続けていきたいと思う年始でした。